マックス電子材料は、反射防止膜用途を中心に、ITO不可視化層、有機EL・LEDの光取り出し効率向上などの用途に向け、各種高屈折率材料を開発しました。
メタロキサンポリマー前駆体塗布液
金属アルコキシドをゾル・ゲル法によって重合させた「メタロキサンポリマー」として溶液化した機能性塗布材料です。 メタロキサンポリマーは、下図のような代表単位構造をもつ、金属―酸素―金属結合を骨格とするポリマーで脱水乾燥でアモルファス状態になります。 均一な薄膜を形成できます。
溶液塗布後に乾燥・加熱などの処理を行うことで、金属―酸素―金属結合を骨格とする均一な薄膜を形成できます。
金属アルコキシドや金属キレートを直接使用する場合と比べて安定で取り扱いやすく、塗布工程への適用性に優れているため、
各種基材への無機系機能膜や有機・無機ハイブリッド膜の形成に活用できます。
金属種や組成を選択することで、屈折率約1.40~1.80の金属酸化膜を形成できます。
単層膜から多層膜まで幅広い光学設計に対応し、反射防止、屈折率整合、反射・透過特性の制御など、
用途に応じた機能性薄膜の形成に活用できます。
想定される用途
- レンズ、カバーガラス、光学フィルムなどの屈折率調整コーティング
- 屈折率の異なる材料を組み合わせた単層・多層反射防止膜
- 膜厚や積層構成によって反射率や透過率を制御する光学干渉膜
- ディスプレイや光学部材の界面反射を抑える屈折率整合層
- 高反射膜、光学フィルター、波長選択膜などの光学機能層
- LED・OLEDなどの発光デバイスに用いる光取り出し層および光学調整層
- 光導波路、光学センサー、フォトニクスデバイスのコア層・クラッド層
- マイクロレンズ、回折格子などの微細光学構造を形成する材料
- 電子・半導体部材に用いる誘電体膜、絶縁膜および保護膜
- ガラス、金属、セラミックスなどの表面に形成する金属酸化物機能膜
- MaxLR Poly-SiO n~1.43
- MaxMR Poly-AlO n~1.55
- MaxHR Poly-ZrO n~1.70
- MaxHR Poly-TiO n~1.80
※ 製品の詳細については、お問い合わせください。
ナノ粒子分散光硬化型アクリル・シロキサンハイブリッド材料
金属酸化物ナノ粒子をアクリル樹脂中に透明性を維持した状態で均一に分散させた、UV硬化型の機能性コーティング材料です。
紫外線(UV)照射によって低温・短時間で硬化し、各種基材の表面に透明な機能膜を形成します。
ナノ粒子サイズを十分小さく保ち凝集を防ぐ分散技術によって光の散乱や白濁を抑えながら、
金属酸化物が持つ光学特性や表面特性を付与できます。
使用する金属酸化物の種類や含有量、バインダーの種類を調整することで、屈折率、硬度、耐久性など、用途に応じた機能設計が可能です。
想定される用途
- 多層反射防止膜の高屈折率層:低屈折率材料と組み合わせ、ディスプレイ、レンズ、カバーガラスなどの反射を低減します。
- 高反射率コーティング:膜厚や積層構成を調整し、特定波長の反射率向上、色調制御、意匠性付与に利用できます。
- LED・OLEDの光取り出し層:発光層や透明電極との屈折率差を緩和し、デバイス内部に閉じ込められる光の取り出し効率を向上します。
- ディスプレイの屈折率整合層:光学フィルム、透明電極、カバー材などの界面反射を抑え、光利用効率や視認性を向上します
- 高屈折率レンズおよびマイクロレンズ:薄型レンズ、マイクロレンズアレイ、センサー用集光部材などの小型化・薄型化に利用できます。
- 光導波路・光結合部材:高屈折率のコア層や光結合層として、光通信部品、センサー、AR/VR用光学部材などに展開できます。
- ナノインプリント光学部材:回折格子、微細光学構造、メタサーフェスなどの高屈折率パターン形成材料として活用できます。
- 高屈折率光学接着・充填層:撮像素子、レンズや光学部品間の空隙を充填し、界面反射の低減や光学性能の向上を図ります。
屈折率1.8(550 nm)の材料です。ナノサイズの結晶ジルコニア粒子を高濃度に分散しています。高粘度で、溶剤としてPGMEAを含みます。
屈折率1.7(550 nm)の材料です。ナノサイズの結晶ジルコニア粒子をアクリルモノマーに分散しています。有機溶媒を含まない無溶剤タイプです。
低屈折率材料
低屈折率ナノ粒子をアクリル系バインダー中に均一分散させた、UV硬化型の低屈折率材料です。
紫外線(UV)照射により短時間で硬化し、一度の塗布でも比較的厚みのある均一な被膜を形成できます。
低屈折率層によって基材表面での光の反射を抑えられるため、主に単層反射防止膜(ARコーティング)の形成に適しています。
UV硬化のため、低温プロセスでの工程の簡略化や生産時間の短縮に貢献します。
光学部材の透過率向上や映り込みの低減、表示面の視認性改善などにご活用いただけます。
想定される用途
- ディスプレイ、タッチパネル、モニター表面の反射防止
- スマートフォンやタブレットなどの表示部材
- カメラ、センサー、レンズなどの光学部品
- 車載ディスプレイ、メーターパネル、ヘッドアップディスプレイ
- 照明カバーや透明樹脂部材の透過率向上
- 太陽電池カバー材の表面反射低減
- ショーケース、サイネージ、保護パネルの映り込み防止
- 各種フィルム、ガラス、樹脂基材への光学機能付与
※適用可能な基材、塗布方法、硬化条件、膜厚および光学特性については、用途に応じた事前評価が必要です
特性表
| 膜厚(硬化後) | 3~4µm |
|---|---|
| 膜収縮率(乾燥ー硬化) | 2% |
| 可視光透過率 (550nm) | >99% |
| 屈折率 | 1.38-1.39 |
| 色相(L*a*b*) | (99.5, -0.082, 2.356) |
| Yellow Index | 4.2 |
| 密着性 | 5B(100/100, ガラス上) |
成膜プロセス
反射防止膜
反射防止(AR:Anti-Reflection)膜は、膜の屈折率と膜厚を制御し、表面で反射する光と膜内部で反射する光を干渉させて打ち消すことで、
反射率を低減します。
基材より屈折率の低い材料を光学膜厚λの1/4程度に形成する単層AR膜や、異なる屈折率の膜を組み合わせて
広い波長域で反射を抑える多層AR膜が用いられます。
応用として、ディスプレイ・タッチパネル、カメラや顕微鏡などの光学レンズ、眼鏡レンズ、太陽電池、LED・光センサ、
各種光学窓などで、表面反射や映り込みを低減し、透過率・視認性・光利用効率を向上させる目的で使用されます。
単層反射防止膜は、基材表面に屈折率の低い透明膜を一定の厚さで形成し、 光の干渉を利用して反射光を打ち消す仕組みです。
膜表面で反射する光と、膜を透過して基材界面で反射する光との間に半波長分の位相差が生じるよう、 膜厚を通常は設計波長 λ に対して次のように設定します。
(n:膜の屈折率)程度に設定することで、2つの反射光が逆位相となって互いに打ち消し合い、 表面反射が低減します。
また、最も効率よく反射を抑えるためには、空気の屈折率を n0、 基材の屈折率を ns とすると、膜の屈折率 n は おおよそ次の値となることが理想です。
屈折率 1.60のPETフィルムの上に屈折率 1.38 の膜を100 nm成膜した場合の反射率は、5.3%から0.75%まで低減します。
屈折率 1.52の光学ガラス板の上に屈折率 1.38 の膜を100 nm成膜した場合の反射率は、4.6%から1.3%まで低減します。
この目的に使用できる弊社塗布剤は:
Maxsil S1 (n = 1.38), AF-31 (n = 1.38) など
2層反射防止膜は、基材表面に屈折率の異なる2種類の透明膜を積層して形成することで、 幅広い波長域で反射を抑えることができます。
単層膜では主に1つの設計波長付近で反射を最小化しますが、2層膜では高屈折率層と低屈折率層の 屈折率・膜厚を組み合わせることで、複数の反射光の振幅と位相をより細かく制御できます。 そのため、単層膜よりも広い波長範囲で低反射化したり、特定の複数波長で反射を低くしたりすることが可能です。 典型的には、
のような構成とし、各層の光学膜厚を概ね
付近に設定します。ただし、実際の最適設計では各層を必ずしも正確なλ/4にせず、 目的とする波長域の平均反射率が最小になるように膜厚を調整します。
屈折率 1.60のPETフィルムの上に低屈折率(n=1.38)の膜 100 nm と高屈折率膜(n=1.70)を 81 nm成膜した場合の反射率は、5.3%から0.07%まで低減します。
屈折率 1.52の光学ガラス板の上に低屈折率(n=1.38)の膜 100 nm と高屈折率膜(n=1.70)を 81 nm成膜した場合の反射率は、4.6%から0.000066%まで低減します。
この目的に使用できる弊社塗布剤は:
低屈折率材料: Maxsil S1 (n = 1.38), AF-31 (n = 1.38) など
高屈折率材料: MaxHR AZ17-NS (n = 1.70), MaxHR AZ18 (n = 1.80) など
3層反射防止膜は、屈折率の異なる3種類の透明膜を基板上に積層し、各界面で生じる複数の反射光の位相と振幅を制御して、互いに打ち消し合わせることで反射を低減する方式です。
単層膜や2層膜より設計自由度が高く、より広い波長範囲にわたって反射率を低減しやすいのが特徴です。
典型的には、
のような構成とします。
原理
3層膜では、空気/第1層、第1層/第2層、第2層/第3層、第3層/基板 という4つの界面から反射光が発生します。
各層の屈折率 と膜厚 を適切に設定すると、それぞれの反射光に異なる位相差が生じます。これらを重ね合わせたとき、
ができるだけ小さくなるように設計することで、全体の反射率を低減します。
各層の基本的な光学膜厚は、
を出発点とすることが多いですが、3層膜では実際には各膜厚をλ/4から調整し、目的とする波長範囲全体の平均反射率を最小化する設計が一般的です。
この目的に使用できる弊社塗布剤は:
低屈折率材料: Maxsil S1 (n = 1.38), AF-31 (n = 1.38) など
中屈折率材料: Max Poly-ALO (n=1.55), Maxsil S7 (n = 1.53)など
高屈折率材料: MaxHR AZ17-NS (n = 1.70), MaxHR AZ18 (n = 1.80) など